―うちださんぎょうものがたりー
人生において、家づくりのタイミングは1回だと言われています。
建築家とともに打合せを重ねていく中で、住まいをつくる工務店も1社に絞られていきます。数少ない機会の中で良い工務店と出会う、このアプローチは常に慎重に進められていくのです。その中でも現在、首都圏の注文住宅分野で順調に業績を伸ばしている評価の高い工務店があるのをご存知でしょうか。
川越に本社を構える内田産業は2010年に東京営業所を、そして2020年に神奈川営業所を開設しました。現在、首都圏で年間50棟以上の注文住宅を手掛けている規模の大きな工務店です。
創業は80年以上前の1937年(昭和12年)、小ケ谷澱粉(おがやでんぷん)という菓子製造の会社からスタートしています。やがて外構建材製造、そして建設業を中心とする会社に発展していきました。
現社長の 内田嘉哉(うちだ・よしちか)さんは大阪の薬品メーカーから戻り、代表に就任する中で、経営方針を大きく転換していきました。それは減りつつある公共工事分野から、注文住宅分野へのシフトでした。
当初、700件を超える建築事務所への営業開拓を内田さん自身で進め、マツザワ設計、ブライシュティフト(本間 至 氏)他との施工実績ができたことで現在の方向性が固まっていったとのことでした。現在、取引のある設計事務所は160社を超え、施工金額の中心帯が4,000万円、数年前からは1億円を超える施工も増えてきているそうです。
年間50棟以上の施工をし、会社の業績を順調に上げていく内田さんに社の運営方針についてうかがいました。
「一人の監督が担当する案件は同時に2棟まで絞っています。そうすることで品質を上げ、いい家をお引渡しする。結果的に建築事務所からの依頼が増える。とてもありがたい循環になってきていると思います。施工図も良く書き、関係者打合せの議事録も都度共有しています」
なぜ内田産業への依頼が増えるのか、その理由が分かります。
また、50名近い大所帯をまとめることについてお話いただきました。
「福利厚生に力を入れています。2年に一回社員旅行があり、各自の積立と合わせ、会社補助を出しています。行先は社内投票で沖縄に決まることが多いです。
また社員大工の雇用をしていることで若い方から注目されることもあるかと思います。
年間5棟は手刻み、墨付けなどを行い、技術継承も進めています。地元の高校や、兵庫からも応募がありました」
社内には20代の方も多く、8名の方が所属されているとのことでした。
家づくりについて内田さんに伺いました。
「家づくりとは『お客様の人生をお預かりしている』ということです。ここに携われることには喜びもあり、また大きなプレッシャーもあります。ある意味公共工事より難しく、気を遣う箇所が多い仕事です。私自身は建築科を出てないので、施工者としての常識を無視し、あくまで一般の視点、施主さま目線でチェックを入れています。丁寧に愛情をこめて家づくりをした結果、オーナーさまから感謝のお手紙を頂いたり、工期が終わる寂しさを感じていただいたりと沢山の思い出がありますね」
座右の銘は 「一日一笑」の内田さん。一日一回は笑い、会社の雰囲気も良くなるように心がけているそうです。
快活でパワーあふれる社長がまとめる内田産業が次の大きなステージに上がっていくことを確信しました。
家を”買う”ものから"創る"ものへ
プラナビ編集部
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